BIGSBY(ビグスビー)のオプションパーツの話(2)
前回の続きです。
Bigsbyには「操作性を改善するパーツ」が数多く出ています。
今回はそれらについてご紹介したいと思います。
弦交換を楽にするパーツ
早速ですが、Bigsbyと切っても切り離せないテーマといえば「弦交換の難易度の高さ」が挙げられます。
Bigsbyはその構造的に
1.ギター弦のボールエンドをBigsbyのピンに引っかけ
2.テンションバーの下を潜らせ
3.ブリッジに弦を乗せ
4.ペグの穴に通し
ペグで巻き上げることで弦を張ります。
この際、少し気を抜くと1で引っかけた弦がハズれてしまい、弦張りに失敗しまいます。
個人的には、Bigsbyの装着によって、通常の弦交換の2〜3倍の時間がかかるようになったという感覚があります。
もちろん、それはそれで味わい深くて良いのですが、やはり楽がしたいですよね。。
そんな時にはCALLAHAM ( カラハム ) / Upgraded Main String Shaft for Bigsby Vibratos を使用すると、従来のような、「ピンに弦を通す」という作業から「弦をアームユニットに通す」という交換手順になるので、まるでストラトのようにスルスルと弦交換できるようになります。
僕のBigsbyにも装着していますが、装着後、圧倒的に弦交換が楽になりました。
ただ、こちらの装着はBigsbyのシャフト部分を交換しなければいけないため、あくまで「無加工」にこだわる人にはお勧めできません。
既存のBigsbyの構造を活かしたい!加工したくない!という方はVIBRAMATE ヴィブラメイト / スポイラーがお勧めです。
→Amazonで「vibramate SPOILER」を探すこちらは、一方をBigsbyのピンに取り付けることで、もう一方のギターの弦が引っ掛けられるようになり、弦交換が飛躍的に行いやすくなります。
※弦を引っ掛ける箇所はGibson系のギターに使用されることの多い、ビブラートテイルピースのような構造に近いですね。
弦交換にお悩みの方は是非試してみてください!
アーミングの可動域を上げるパーツ
続いては、アーミングの可動域を上げるパーツについてご紹介です。
Bigsbyはアームの下についているバネと弦の張力の釣り合いをアームによって変化させることで、弦の張力を上げ下げし、ビブラートをかける仕組みとなっていますが、
特に、張力を下げる方向(=アームダウン)は、アームとボディーの角度によって、実行範囲が決まります。
なので、アームダウンの可動域を広げるカスタムとして、スプリングを長い物に変えるといった方法があります。
→Amazonで「BIGSBY Handle Spring」を検索
通常のスプリングは7/8インチ(モデルによって差異があるかもしれないので必ずではないかもです)ですが、交換用のスプリングとして1インチのものが販売されています。
私のBigsbyにも装着していますが、やはり気持ち可動域が上がりました。
使用している弦のゲージや、そのほかの前提によって、可動域は変わるかと思いますが、アプローチの一つとして知っておいて損はないかと思います。
元々Bigsby自体では激しいアームダウンをする機会が少ないかと思いますが、興味があれば是非お試しいただきたいです。
チューニングを安定させるパーツ
一般的にアーミングをした際のチューニングのずれは以下のところでずれやすいと言われています。
- 糸巻き(ペグ)
- ナット
- ブリッジ
また、チューニングがずれる原因としては、1に関しては、アーミングによって弦が緩む/締めるを繰り返すことで原因で、2、3に関しては摩擦が発生することで、弦の張加減に変化が生じてずれると言われています。
また、Bigsbyに関しては、テンションバー付近においても弦がたわむことでチューニングがずれやすくなっています。
では順に見ていきましょう。
⒈糸巻き(ペグ)
糸巻きに関するアプローチとしては主にロックペグを使うといった選択肢になります。
また、ロックペグにも大きく2種類あり、主に見た目で選ぶ形になるかと思います。
他にもトップロックと呼ばれる、ヘッド正面からロックするタイプもあるようですが、メジャーなタイプということで2種類を挙げてみました。
個人的にはGOTOH製のフィンガーロックとマグナムロックを両方使ったことがあるのですが、どちらも使用感としては、良く、安定したチューニングができるといった印象です。
この辺は最終的なセットアップにもよると思いますので、あくまで導入は自己判断でお願いします!また、ペグポストの径も取り付けるギターによってまちまちなので購入時は良く確認いただければと思います!
そのほかの感想としては、特にフィンガーロックは質量もあることから、ギターの出音がタイトになった印象がありました。
非常に微々たる差とは思いますが、この辺の音響の変化も感じられる非常に面白いカスタムだと思います。
また、何より弦交換が楽というのもあるので「複雑な構造の部品が好き!」「トータルで楽したい!」という人にも非常におすすめです(笑)
⒉ナット
続いてはナットです。
もうこの点は、摩擦を極限まで上げるか、極限まで下げるかの2択しかないとおもいます。
摩擦を極限まで上げる、となるといわゆるフロイドローズなどのダブルロック式で使用される、「ロックナット」がメジャーですが、Bigsbyとの相性はどうなんでしょうね。。個人的にはつけてみたい気はしますが、ギターのナット部分に不可逆な解像をしなければいけないので、そこまでの勇気がなく、試したことはありません!誰か試したことあったら教えてください!(笑)
摩擦を極限まで下げるとなると、ローラーナットが一般的かなと思います。名前のままですが、ナットにローラーが仕込まれているため、摩擦を下げることができます。
Amazonで「ローラーナット」を検索ただ、ローラーナットは、やはりネックのナット部分に不可逆な改造をしなければいけないため、こちらも戻せない改造をすることに抵抗がある方にはお勧めできません。(私もこれで断念しました。。。)
ここまで、ボルトオンカスタムのみで進めてきた方は、ナット用の潤滑油などを使用するのが良いと思われます。
フリーダムのグリスは私も使用しましたが、多少効果はあったように思います。
こちらも自己責任の範疇ですが、是非お試しいただければと思います。
⒊ブリッジ
ブリッジ付近については、極端に弦の張力が変わるところになるため、ブリッジ、テンションバーがチューニングに与えている影響は大きいと思われます。
ロックブリッジというものも見つからなかった(あってもダブルロック式…)のと、ロックしたらビグスビー使えないでしょ!ということで、ローラーブリッジをご紹介します。
Amazonで「ローラーブリッジ」を検索こちらはシンプルにブリッジのコマがローラーになっています。そのため、弦の緩み、締めに追随して、ローラーが回転し、聴力の変化に追随するようになっています。
私もローラーブリッジを使用していますが、やはりチューニングの改善に対しては効果があったという所感です。
ただ、個人的に1点デメリットだった点としては、こちらの装着で音のエッジが少し弱まってしまったと感じました。
この点も個人差があるので、良し悪しはありますが、今後セットアップがうまくいくようであれば、標準のチューンOマチックに戻すかもしれません。
今回はチューニングに対してという事なので、挙げてみましたので、音響の変化も楽しみつつ、試す価値はあると思います!
もう一点ご紹介するのはテンションバーの交換パーツです。
Amazonで「CALLAHAM Front Roller Upgrade Kit for Bigsby」を検索これはこの選択肢しかないかな?標準のテンションバーだと、意外とテンションバー部で弦がたわむことがあって、弦のたわみがチューニングに影響するのであれば、やはり無視できない要素なのかな、と思います。(これは色々セットでやってしまったので、実際の影響はあまり測れず…。ただ、他サイトでの評判を見ても効果がある声も多くあるので、試す価値はあると思います!)
私個人としては効果は若干未知数(とはいえ、トータルでチューニング精度は向上している)ですが、見た目が整然とするので、そういった意味では結構お勧めです。
ただ、こちらも不可逆な解像になるので、導入時は注意となります。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
ただ、既存の部品を並べるだけでも、結構なボリュームになってしましたが、使い勝手やチューニングに対して、いろんなアプローチができるということがお分かりいただけたのではないかと思います。
このBigsbyを用いたカスタムは、結構お金が掛かってしまうというデメリットはあることや、改造内容によっては不可逆なものもあるため、ある程度の覚悟は必要になるものの、多くはボルトオンでのカスタムができるといった側面もありますので、
選択肢によっては非常に簡単に始められるものもあります。(特にVibramate利用でのBigsby取り付け)
もしBigsbyが気になっている方がいましたら、ぜひ勇気を持って、一歩踏み出し、世界に一つしかない自分だけのギターにアレンジをしてみてくださいね!
また、過去のBigsby投稿は下記なので、もしよろければ見てみてくださいね!(実はチューニングについては「結」後編の記事が一番効果的だったり…実態は不明 笑)
P.S. 一応ブログのテーマは「主観強め」を書いてますが、もっと定量的なことを書けるように努力していきます。